夫の子どもが欲しい理由は、妻の子どもが欲しい理由と違うかもしれない

第15回出生動向基本調査の結果から見えること

出生動向基本調査とは、国立社会保障・人口問題研究所が実施している、国内の結婚、出産、子育ての現状と課題を調べるために、ほぼ5年ごとに実施している全国標本調査です。
最新版の第15回は、2015年に独身者8752人、夫婦6598組からの回答をまとめたものになります。

第15回出生動向基本調査の報告書は、PDFにして452ページあります。結婚や子どもについて興味深い調査結果が並んでいます。

子どもを持つ理由についても調査されています。
最も多い回答は「子どもがいると生活が楽しく豊かになるから」でした。

これは、希望子ども数を1人以上と回答した男女、そして理想的な子ども数を1人以上と回答した夫婦に共通した理由です。

今日は、この調査結果で気になったことをご紹介します。

男性に多い「結婚して子どもを持つことは自然なことだから」

まず、独身者の回答をじっくり眺めてみましょう。

未婚男性の回答は、多い順に「子どもがいると生活が楽しく豊かになるから(66.5%)」「結婚してこどもを持つことは自然なことだから(48.4%)」「好きな人の子どもを持ちたいから(38.2%)」と続きます。

未婚女性では、「子どもがいると生活が楽しく豊かになるから(73.3%)」「好きな人の子どもを持ちたいから(55.1%)」「結婚して子どもを持つことは自然なことだから(39.0%)」です。

あなたは、お気づきになりましたか。
男女で順番が違っています。

夫婦の子どもを持つ理由は変化しうる

次に、夫婦の調査結果を見てみます。

「子どもがいると生活が楽しく豊かになるから(78.4%)」が最も多く、独身者よりもその割合が高くなっています。
続いて、「結婚して子供を持つことは自然なことだから(48.7%)」「好きな人の子どもを持ちたいから(37.3%)」となっています。

この順番は、妻の年齢によって異なります。
34歳までの層では「好きな人の子どもを持ちたいから」が「結婚して子供を持つことは自然なことだから」より多く、それ以上の層では逆転しているのです。

この調査は、同じ夫婦を経時的に比較したものではありません。
ただ、子どもを持つ理由は、年齢などによって変化すると推測できます。

子どもを持つ理由は、夫婦で一致しているのか?

実は、ここでも気になることを発見しました。

夫婦調査の対象は、配偶者を持つ50歳未満の女性なのです。
この回答に、夫である男性の意見はどの程度反映されているのでしょうか。

「結婚したら、子どもを持ちたいね」という点は、ほとんどの独身者や夫婦で一致しています。
「子どもがいると生活が楽しく豊かになる」と考えている点も同様です。

ただ、それに続く理由、そしてそれらの優先順位はどうでしょうか。
夫婦で違うかもしれません。以前とは変わっているかもしれません。

”妊活”では、「子どもを持つ」という目的は分かりやすく、どのカップルも共有できているでしょう。
では、子どもを持つ理由はどうでしょうか。
パートナーと共に何かに取り組むとき、目的だけでなくその理由まで共有できたら強みになります。
「子どもを持つ理由」に意識を向けることも、パートナーへの配慮につながり、”妊活”の進め方に良い影響をもたらしてくれます。

あなたの子どもを持つ理由は何ですか。
一度、パートナーと話し合ってみませんか。

《参考文献》
現代日本の結婚と出産─ 第15回出生動向基本調査(独身者調査ならびに夫婦調査)報告書 ─:国立社会保障・人口問題研究所