食事の工夫で、つわりを乗り切ろう

つわりは、妊娠初期にみられる吐き気や嘔吐の症状です。
食べていないと気持ち悪い、食べると気持ち悪い、ごはんの匂いが気持ち悪い、など、つわりの症状は人によってさまざまです。

つわりは、妊娠4か月頃には自然に治まります。
それまでの期間をなるべく快適に過ごせるよう、つわりへの対処法をまとめました。

ビタミン類のサプリメントを摂ろう

妊娠する前からビタミンB6を含むサプリメントを摂取していると、つわり予防に有効です。
妊娠してからでも、つわりを感じてからでも、試す価値はあります。ビタミン類のサプリメントを取り入れてみましょう。

つわりが悪化した「妊娠悪阻にんしんおそ」が重症化すると、ビタミンB1の不足による脳症を起こすことがあります。
お家で様子を見れる範囲のつわりでは心配しなくてもよいでしょうが、ビタミンB類を含んだサプリメントならビタミンB1も一緒に摂取できるので一石二鳥になります。

食事は小分けにしよう

空腹が吐き気を引き起こすことがあります。
お腹がすいた時間を作らないように、食事を小分けにして食べると楽になることがあります。

昼ごはんや夜ごはんで食べるものを、2回に分けて食べてみましょう。スイーツのおやつではなく、おかずをおやつ代わりに食べる感じです。

BRATTダイエットを取り入れよう

BRATTダイエットとは、脂質が少なく、消化しやすい食品を食べる食事法です。
BRATTは、下記にお示しする食品の頭文字をとったものになります。

  • B(Bananas):バナナ
  • R(Rice):米、穀物
  • A(Applesauce):りんごソース
  • T(Toast):トースト
  • T(Tea):お茶

シリアルやご飯、トースト、柔らかい果物やジュース、お茶などを摂ることで、胃の負担を減らします。

生姜を食べよう

その他につわりに効果があるものとして、生姜があります。アメリカやイギリスの産婦人科学会のガイドラインにも「生姜を試す」と記載されています。
刻んだ生姜や、生姜のしぼり汁を紅茶に入れて飲んでみましょう。少し楽になります。
生姜の蜂蜜漬けもおススメです。

つわり症状によく処方する漢方薬「小半夏加茯苓湯」も生姜を含んでいます。
この漢方薬のおススメの服用方法は、漢方薬をお湯に溶かし、よく冷やしたものを飲むことです。寒くない季節なら、ジンジャーティーも冷やして飲んでみてはいかがでしょうか。

水分はしっかり摂ろう

食べることが難しくても、水分だけはしっかり摂るようにしましょう。
水分が摂れないようなら、産婦人科を受診してください。水分を補う必要があります。

水分が足りていないサインは次のとおりです。

  • 尿の色が濃い
  • 尿が出ないか、出ても量が少ない
  • 立ち上がるときに、ふらふらしたりめまいがある
  • 脈が速く、ドキドキする

また、何も食べられない状態が続くときも、受診しましょう。必要な栄養素を補う必要があります。

食事以外にも対処できること

仕事や家事は無理せずに。症状がつらいときは休むことも必要です。
食事の準備は、特につらくなりがちです。家族の協力をあおぎましょう。

プレママライフを快適に過ごすためには、カラダやココロの変化に柔軟に対応していく必要があります。つわりを乗り越えるのは、そのファーストステップです。
できることを試してみて、家族や医療を頼りつつ、少しでも快適な日々を過ごしていきましょう。

《参考文献》
Morning Sickness : Nausea and Vomiting of Pregnancy:アメリカ産婦人科学会