妊活中のPMSは、ライフスタイルの見直しで軽減できる
月経前症候群(PMS)で苦しんでいるあなたへ
月経前症候群とは、月経前3~10日の間続く精神的あるいは身体的症状で、月経開始とともに軽快あるいは消失するものを言います。英語の頭文字をとって、PMSと略されます。
精神神経症状として情緒不安定、イライラ、抑うつ、不安、眠気、集中力の低下、睡眠障害などがあります。自律神経症状としてのぼせ、食欲不振・過食、めまい、倦怠感を感じやすくなるほか、腹痛や頭痛、腰痛、むくみ、お腹の張り、乳房の張りなどの身体的症状もあります。
PMSの場合、これらの症状が毎月現れます。一か月の3分の1程度からひどいと月の半分くらい、つらい時期が続くため、QOLも著しく下がってしまいます。
PMSに対する治療法として、排卵を抑制する方法をとることが増えてきました。経口避妊薬やLEPとよばれる低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬を用いる方法です。
この方法で、多くの女性のPMSが軽減することを経験してきましたが、残念なことに妊活中の女性には用いることができません。これらのお薬を服用すると、排卵しなくなるからです。
「排卵を抑制しないで、少しでも楽になりたい」
そんなあなたの願いをかなえるために、あなたができる3つの対策をお伝えします。
しっかりカラダを動かす
定期的に有酸素運動をしましょう。
有酸素運動には、PMSの症状の軽減効果、疲労感や抑うつ感の軽減効果があります。
有酸素運動には、爽快なウォーキング、ランニング、サイクリング、水泳などがあります。心肺機能を高める効果があります。
PMSの症状が出ている日だけでなく、日常的に運動を取り入れるようにしましょう。
意識して、リラックスする
ストレスを軽減する方法として、さまざまなリラックス法があります。あなたにとってピッタリのリラックス法を見つけましょう。
ただ何もしないというリラックス法でも構いませんが、意識してリラックスに取り組むのもおススメです。具体的には、呼吸法、瞑想、ヨガなどがそれにあたります。
マッサージやアロマテラピー、バイオフィードバックなどのセラピーが役に立つと感じるかもしれません。
あなたに合っているものであれば、それが一番です。
運動する、リラックスする。
この緩急をつけることで、ココロとカラダのバランスをとりましょう。
頭だけ使いすぎても、体だけ酷使してもいけません。ちょうどよいバランスで心身が疲れたら、心地よい眠りにつながります。
そうです、十分な睡眠をとることも、あなたのPMS症状をやわらげるのに役立つでしょう。
週末を含め、毎日同じ時間に起きて同じ時間に寝るという規則正しい睡眠習慣を持ちましょう。
少しだけ、食事に気を遣う
食生活のちょっとした変更も、PMSの症状を和らげるのに役立つかもしれません。
全粒粉のパンやパスタ、玄米や雑穀などが豊富な食事は、気分の症状や食べ物の欲求を減らすことができます。豆類もおススメです。
ヨーグルトや葉物の緑黄色野菜など、カルシウムを多く含む食品を食事に加えましょう。
一方で、脂肪、塩分、砂糖の摂取量は減らしましょう。また、カフェインやアルコールも控えた方がよいでしょう。
カルシウムやマグネシウム、ビタミンEのサプリメントは、PMSの症状を軽減することができるようです。これらの栄養素を含むサプリメントが役立つかもしれません。
ただ、PMSに役立つとされる多くの製品には、その有効性や安全性が科学的に証明されていないものも含まれます。サプリメントを摂取する際には、医師や薬剤師に相談なさってください。
《参考文献》
Premenstrual syndrome (PMS):アメリカ産婦人科学会
これらの対策は、妊活そのものにも役立つ生活習慣です。
実践するのはなかなか難しいかもしれませんが、ちょっとしたことからで構わないので始めてみませんか。
「5分間の瞑想」「ご飯を胚芽米にしてみる」「ヨーグルト毎朝食べる」など、ちょっと努力すればできそうなことで目標設定をしてみましょう。