もう一度チェックしたい3つのポイント
プレコンセプションケア

プレコンセプションケアとは、将来の妊娠を考えながら、女性だけではなくカップルが自分たちの生活や健康に向き合うことです。

生殖に関する権利

生殖に関する権利とは、産むか産まないか、いつ・何人子どもを持つかを自分で決める権利のことです。妊娠、出産、中絶について十分な情報を得られ、「生殖」に関するすべてのことを自分で決められる権利です。

妊娠のしくみと不妊症の原因

妊娠が成立するには、まず卵巣から卵子が排卵され、卵子と精子が卵管内で受精して受精卵になります。受精卵が子宮内膜に着床すると妊娠が開始します。

不妊症検査の流れ(女性)
最初の診察
子宮頸がん検診:不妊症の検査ではありませんが、直近2年間に受けていない場合には受けておきましょう。
クラミジア感染症の検査
経腟超音波検査:子宮筋腫や卵巣嚢腫、子宮奇形などの有無を調べます。
これ以降の検査は、月経の周期に合わせて実施を計画します。主治医に確認しましょう。
月経中(2日目~5日目)
血液検査:卵巣が出すホルモンや甲状腺ホルモン、プロラクチンなどのホルモン値をみます。
経腟超音波検査:胞状卵胞の数を数えることがあります。
排卵直前
経腟超音波検査:卵胞の大きさを測り、排卵の時期を予測します。
性交後検査:セックスした後に、子宮の入り口に精子がどのくらいいるかを調べることがあります。
排卵後
経腟超音波検査:排卵できたかどうかを確認します。
血液検査:黄体ホルモンの値をみることがあります。
クラミジア検査陰性を確認後の月経直後(7日目~10日目)
子宮卵管造影検査:子宮の形や卵管が通っているかどうかを調べるX線検査です。通水検査で代用することがあります。
Nobuko

男性は、精液検査で精液内の精子の数や運動率などを調べます。血液検査を行うこともあります。

これらの検査で異常が分かれば、それに応じた治療を行います。
検査で異常がなかった場合は、以下のタイミング療法から開始していきます。

不妊症治療のステップアップ
おうち妊活スタート!
多くのカップルが1年以内に妊娠します。でも、焦りは禁物。
カップルだけ、あるいは上のお子さんだけという今の家族のカタチを満喫しながら、新たないのちを待ちましょう。
1年が過ぎたら、産婦人科受診を考えよう
産婦人科(泌尿器科)で、不妊症のスクリーニング検査を受けてみましょう。
異常が見つかったら、それに応じた治療を受けることになります。
タイミング療法を受ける
排卵日を予測してセックスするタイミングを合わせる治療です。産婦人科では、超音波検査で卵巣内の卵胞の大きさを測定し、その大きさから排卵日を推定します。排卵予測日の2日前から排卵予測日までの間にタイミングをとるように指導されます。
ただし、おうち妊活で排卵検査薬を用いて排卵日の推測を行っていた場合には、今までの方法とほとんど差がないことを知っておきましょう。
排卵誘発を併用する(オプション)
排卵誘発は本来、排卵がない、排卵が起こりにくい人の治療法です。内服薬や注射薬で排卵を促します。
排卵する卵子の数を増やして、妊娠する可能性が高くなることを期待します。多胎(双子や三つ子)の可能性も増えることに注意が必要です。

これ以降のステップアップにおける「目途」は、あくまでも一般的な目安でしかありません。

カップルごとの状況は、それぞれ異なります。
身体の状態だけでなく、自分たちの考えや気持ち、生活状況も踏まえて、一番いい方法を見つけていきましょう。

タイミング療法6回を目途に、人工授精にステップアップする
排卵日を予測し、子宮腔内に調整した精液を注入する治療です。
精子と卵子の距離を近づけ、精子と卵子が出会う卵管膨大部に到達する精子の数を増やすことで、妊娠する可能性が高くなることを期待します。
人工授精は、中丹地域の医療機関でも受けることができます。また、健康保険の適用もあります。
人工授精6回を目途に、生殖補助医療にステップアップする
排卵する前の卵子を体外に取り出し、精子と卵子の距離を近づけたり、人工的に受精させたりする技術を用いた治療です。
精子と卵子の距離を一気に近づけるため、妊娠する可能性が高まります。また、受精できたかどうかを直接目で見て確認することができます。一方で、排卵刺激や採卵処置などの身体的負担が大きくなります。
中丹地域には、この生殖補助医療を受けられる医療機関がありません。京都市や神戸市など、遠方の施設への通院が必要になります。
Nobuko

不妊治療を受けている間は、身体的にも精神的にも辛いことがあるかもしれません。

通院中の産婦人科や泌尿器科だけでなく、いろいろな支援を活用しましょう。中丹地域で受けられるサポートについて、以下にまとめています。

妊活サポートいろいろ
助成金

2022年から体外受精を含む不妊治療が保険診療の対象となりました。また、行政からの助成が受けられます。

相談窓口

行政による相談窓口があります。

NPO法人Fine

NPO法人Fineは、不妊体験者による、不妊体験者のための、セルフサポートグループです。不妊についてふつうに話せる社会を目指して活動されています。

不妊治療Q&A

生理が来たら、つらいです…

月経期を少しでも穏やかに過ごせるよう、マインドフルネスを取り入れてみましょう。

精液所見が良くないと言われたら、どうしたらいい?

ライフスタイルの改善に取り組んでみましょう。

ここに記載していない質問に対しても、個別に記事で回答しているものがあります。
気になるワードを入力して検索してみてください。