PMSでつらいときに取り入れたい薬膳
前回は、月経前症候群(PMS)に対処するためのライフスタイルの見直しについて解説しました。
今回は、薬膳でできる対応策についてお伝えしましょう。
PMSは瘀血や水滞によって生じる心身の不調ととらえることができます。
したがって、あなたのふだんの体調やPMSによる症状から、何が主な原因となっているかを見極め、どんな対策を取ればよいかを考えましょう。
頭痛、肩こり、月経痛、冷えがある人は、瘀血対策を
瘀血とは、血が滞った状態を意味します。
血が滞ると、気も滞りやすく、気血の滞りが痛みを生じます。
血の巡りをよくしてあげる必要があります。
血の巡りをよくする食薬
活血化瘀類に分類される食薬は、血の巡りをよくします。
また、温める方が血の巡りがよくなります。温性の食材を温かくして食べるようにしましょう。
活血化瘀類に含まれる食材には、酢・ターメリック・チンゲン菜・くわいなどがあります。
お酢を使ってドレッシングを作ってみましょう。温野菜に自家製ドレッシングをかけて食べるのがおススメです。
チンゲン菜のスープは、簡単に作れ、体を温めてくれます。
吐き気、めまい、立ちくらみがある人は、水滞対策を
水滞とは、水分が滞った状態を意味します。
水分が滞ると、その部位に応じた症状が出ます。上半身や頭部で水分が滞ると、吐き気やめまいなどが生じます。腸内で水分が滞ると下痢気味になります。
水分の巡りとそのバランスをよくしてあげる必要があります。
余分な水分を取り除くための食薬
体の中の余分な水分を取り除く食薬を利水滲湿類といいます。
利水類は、どちらかというと平性~涼性の性質を持つ食薬が多くなります。
利水滲湿類には、菊芋・小豆や大豆などの豆類・とうもろこし・レタス・はと麦などがあります。フグや白魚・鯉・ハマグリなどの魚介類も利水類です。
豆類やとうもろこし、レタスなどを使ったサラダを作ってみましょう。小豆の煮汁もむくみをとってくれますが、砂糖を入れて甘くしてしまうとはたらきが弱まってしまいます。
気分の変化があれば、気の異常にも注目する
PMSでは、他に気の異常が加わることも少なくありません。
その場合には、イライラしたり落ち込んだり気分の変化が現れます。
理気類の食材を食べましょう。
消化しにくいものは控えた方がよいでしょう。食欲不振がある場合は、大根などの消食類も取り入れましょう。
気の巡りをよくする食薬
気の巡りをよくする食薬を理気類といいます。
また、気を巡らせるためには、性味で考えると、温性、辛味・苦味の食材を用います。
理気類には、そば、玉ねぎ、ラッキョウ、みかん、グリンピース、刀豆などがあります。
他にも、ジャスミン、玫瑰花、陳皮などが使われている薬膳茶を試してもいいでしょう。