秋分:雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)

季節の薬膳

秋の彼岸の中日です。昼夜がほぼ等しくなります。

「季節の薬膳」コーナーでは、季節に合わせた薬膳を実践するために役立つ情報をお伝えしていきます。「秋分」では、秋に摂りたい食材の五気六味についてご紹介します。

初秋に摂りたい五気は涼性、晩秋に摂りたい五気は温性

秋になれば、徐々に寒くなってきます。気候に合わせて涼性と温性の食材を使い分けましょう。

初秋は残暑もあり、秋気の乾燥も伴って乾燥しやすくなります。この季節の燥気は「温燥」と言います。
涼性の食材を取り入れて余熱を清めましょう。

晩秋になると、寒気が強くなってきます。「温燥」から「涼燥」へと変わります。
この時期になれば、温性の食材を取り入れ肺を温めるようにしましょう。

秋に摂りたい六味は、甘味・苦味と辛味・酸味

六味も、「温燥」と「涼燥」によって使い分けるとよいでしょう。

「温燥」の時期は、甘味・苦味の食材を用いることで、熱を清め津液を生じさせます。

「涼燥」の時期は、冷え対策に転じます。辛味・酸味の食材で体を温め津液を補いましょう。

秋の味は、辛味

五行学説では、五味もそれぞれの要素に割り当てています。
「金」に属するのは酸味です。

辛味は、食薬の辛い味を意味します。身体を温め、気血の巡りをよくするはたらきを持っています。
身体を温めることも巡りをよくすることも、痛みをとるのに効果的です。辛味には、痛みを止めるはたらきがあります。

辛味をもつ食薬には、しょうが、ねぎ、にんにく、らっきょう、大根などがあります。

辛味は、肺経に入る

辛味は肺経に入りやすいので、適度な辛味は肺のはたらきを助けてくれます。
肺気の巡りをよくするためにも、ぴりっとした辛味の食材を取り入れてみましょう。

また、しょうがやねぎなどの薬味は辛温解表類です。辛温解表類は、身体を温めて邪を取り除くはたらきを持つ食薬をさします。
辛味と辛温解表類を上手に使って、肺のはたらきを整えましょう。

辛味も、摂りすぎに注意

ただし、まだ暑い初秋に辛味を摂り過ぎない方がよいでしょう。
刺激になりやすい食材も同様です。

ご自分の体質や気候に合わせて、調整しながら摂るようにしましょう。

白いおススメ食材

また、秋の色は「金」に相当する白です。乾燥した空気の澄んだイメージでしょうか。

最後に、「白」にこだわっていくつかの食材をピックアップしてみました。

初秋のおススメ食材

  • 白菜、小麦(甘味、清熱瀉火類)
  • 百合根、白ごま(微寒性、甘味、滋陰類)
  • 梨(涼性、甘味、止咳平喘類)

晩秋のおススメ食材

  • 白きくらげ、ほたて、牛乳(平性、甘味、滋陰類)
  • 杏仁(温性、苦味、止咳平喘類)
  • 白ねぎ(温性、辛味、辛温解表類)

季節に合わせた旬の食材を活用して、健やかにお過ごしください。
次の「寒露」では、秋におススメの薬膳茶についてお伝えします。

タイトルとURLをコピーしました