夏の気配が感じられる季節となりました。
「季節の薬膳」コーナーでは、季節に合わせた薬膳を実践するために役立つ情報をお伝えしていきます。夏が始まる「立夏」は、夏に活用したい食材のご紹介です。
夏のおすすめ食材
- 涼性・寒性、苦味・酸味・鹹味・甘味の食材を使う
- 清熱類の食薬を使う
- 心を養う作用がある食材を使う
まず、女子栄養大学が推奨する「四群点数法」をもとに、おすすめ食材をご紹介しましょう。
第1群の食材
卵や牛乳は心を養うはたらきがあります。
夏は、食中毒が気になる季節です。
卵の賞味期限は生食できる期限を示しています。生食する場合には、必ず賞味期限内のものにしましょう。
第2群の食材
涼性・寒性としては、馬肉や鴨肉があります。滋陰類の豚肉は、汗をよくかいたときに潤してくれます。
シジミやカニは清熱類なので、体の熱を取り除いてくれます。
豆腐、湯葉などは清熱類になります。
第3群の食材
清熱類の野菜には、セロリやきゅうり、トマト、にがうりなどがあります。
果物のりんご、マンゴー、メロン、すいか、バナナ、キウイフルーツなども清熱類に属します。
第4群の食材
小麦は清熱瀉火類で、熱を取り除きイライラを改善してくれます。
パンやめん類を上手に取り入れましょう。
はと麦は利水滲湿類です。むくみを改善してくれます。
大麦や粟も含めて、雑穀類は涼性の性質を持っています。
夏には、雑穀ごはんもおすすめです。
夏の養生
夏には、自然界の陽気が旺盛になり、体の陽気も盛り上がり暑くなります。
- 体力を消耗しやすいので、激しいスポーツを控える
- 昼寝も適宜する
- 食養生では、津液を補い、脾を養う
- 冷たいものを摂りすぎず、食中毒に注意する
- 冬の病は夏に治す=冬病夏治
梅雨の季節は湿邪が盛んな時期です。
風通しを良くし、楽しいことを心がけ、思い悩むことは控えましょう。
食養生では、湿を貯めすぎないことがポイントです。
次の「小満」では、夏の主気である「火」についてお伝えします。
参考文献
- 実用中医薬膳学:辰巳洋著(東洋学術出版社)
- 基礎中医学:神戸中医学研究会編著(燎原)
- 早わかり薬膳素材:辰巳洋著(源草社)
- 食薬方剤学:本草薬膳学院
- 四群点数法で簡単カロリー計算!:https://4fgmethod.jp/weight/