冬の気配が感じられる季節となりました。冬に向けて、体を養う準備を整えていきましょう。
「季節の薬膳」コーナーでは、季節に合わせた薬膳を実践するために役立つ情報をお伝えしていきます。冬が始まる「立冬」は、冬に活用したい食材のご紹介です。
冬のおすすめ食材
- 温性・熱性、辛味・鹹味の食材を使う
- 温裏類、補益類の食薬を使う
- 腎を養う作用のある食材を使う
まず、女子栄養大学が推奨する「四群点数法」をもとに、おすすめ食材をご紹介しましょう。
第1群の食材
補益類とは、補気類・助陽類・養血類・滋陰類の総称です。
温めること、潤すことが腎を養うのに必要です。
滋陰類である第1群の食材は、腎のためにもきちんと摂っておきたいものです。
第2群の食材
助陽類の羊肉・海老・イワナ、温裏類の鮭、鯵などを始め、補益類の魚介類や肉類は数多くあります。
豆腐は寒性なので、温めて食べるとよいでしょう。
柚子胡椒を添えた湯豆腐などはいかがでしょじうか。
第3群の食材
補血類のほうれん草・人参・落花生、滋陰類の小松菜、アスパラガス、百合根、ごまなどが腎陰を養ってくれます。
腎陽を温めるのには、助陽類や温裏類です。
にら、ピーマン、ねぎ、生姜、くるみなどを使います。
生姜は、しっかり加熱した方が温めるはたらきが強くなります。
第4群の食材
もち米は体を温めます。
時にはおこわもいいですね。
黒砂糖は温裏類、体を温めて血の滞りを流してくれます。
冬の養生
冬は自然界の陰気が旺盛な時期です。陽気は潜伏しています。
- 陽気を逃さないよう、ゆったり過ごす
- 睡眠をしっかりとる(早く寝て遅く起きる)
- 食養生では、保温をし、乾燥しないように注意し、腎を養う
次の「小雪」では、冬の主気である「寒」についてお伝えします。
参考文献
- 実用中医薬膳学:辰巳洋著(東洋学術出版社)
- 基礎中医学:神戸中医学研究会編著(燎原)
- 早わかり薬膳素材:辰巳洋著(源草社)
- 食薬方剤学:本草薬膳学院
- 四群点数法で簡単カロリー計算!:https://4fgmethod.jp/weight/