春の気配が感じられる季節となりました。寒さの峠はもう超えたでしょうか。
「季節の薬膳」コーナーでは、季節に合わせた薬膳を実践するために役立つ情報をお伝えしていきます。春が始まる「立春」は、春に活用したい食材のご紹介です。
春のおすすめ食材
- 温性、甘味・辛味の食材を使う
- 辛温解表類、補気類の食薬を使う
- 肝の発散を促進する食材を使う
まず、女子栄養大学が推奨する「四群点数法」をもとに、おすすめ食材をご紹介しましょう。
第1群の食材(乳・乳製品、卵)
牛乳、チーズ、卵はいずれも平性甘味の食材です。
また、滋陰類に属します。
まだ寒いうちや冷え症の人は、牛乳もホットにして飲むとよいでしょう。
第2群の食材(魚介・肉、豆・豆製品)
補気類の食材には、第2群の食材がたくさんあります。
魚では、いわし、太刀魚、うなぎ、たら、スズキ、鯖、鰹などがあります。
鶏肉や牛肉も補気類です。
大豆や黒豆、そら豆などの豆類は、平性甘味の利水滲湿類ですが、脾を養うはたらきがあります。
第3群の食材(野菜(きのこ、海藻を含む)、芋、果物)
温めて発散させる食材としては、ねぎや生姜、三つ葉、みょうがなどがあります。
薬味に使う野菜ですね。
温性甘味のものとしては、かぼちゃ、こまつな、アスパラガスなど。
補気類の野菜は、キャベツ、カリフラワー、じゃが芋、さつま芋など。
第4群の食材(穀類、油脂、種実、砂糖、菓子、飲料、調味料)
米やもち米も補気類です。
蜂蜜は補気類、砂糖や氷砂糖は平性甘味で脾を養います。
春の養生
春は、自然界の陽気が上昇し、体内の陽気も体表に浮かび発散する季節です。
- 朝は早めに起きる
- ゆったりのんびりリラックスを心がける
- 精神的な抑うつや怒りを控える
- 食養生では、肝気を整えると同時に脾気を養う
次の「雨水」では、春の主気である「風」についてお伝えします。
参考文献
- 実用中医薬膳学:辰巳洋著(東洋学術出版社)
- 基礎中医学:神戸中医学研究会編著(燎原)
- 早わかり薬膳素材:辰巳洋著(源草社)
- 食薬方剤学:本草薬膳学院
- 四群点数法で簡単カロリー計算!:https://4fgmethod.jp/weight/