冬至:乃東生(なつかれくさしょうず)

季節の薬膳

今日は、昼が一年中で一番短くなる日です。

「季節の薬膳」コーナーでは、季節に合わせた薬膳を実践するために役立つ情報をお伝えしていきます。「冬至」では、冬に摂りたい食材の五気六味についてご紹介します。

冬に摂りたい五気は温性・熱性

冬は一年中で最も寒い季節です。その寒気によって、身体の陽気も阻滞されるため、冷えによる症状が出ます。

寒気に負けないよう、温性・熱性の食材を使いましょう。

冬に摂りたい六味は、辛味・甘味・酸味

六味でも、身体を温めることを考えましょう。

辛味は、気血の巡りをよくして身体を温めます。
甘味は、虚弱を補ってくれるます。

冬は乾燥しやすい時期でもあるので、酸味で津液を補うのもよいでしょう。

冬の味は、鹹味

五行学説では、五味もそれぞれの要素に割り当てています。
「水」に属するのは鹹味です。

鹹味は、食薬のしょっぱい味を意味します。堅いものを柔らかくし、便通をよくするはたらきを持っています。
冬の寒気は、凝滞性を持っています。鹹味は、この固まりを和らげてくれます。

鹹味をもつ食薬には、ハム、太刀魚、なまこ、鹿肉などがあります。

鹹味は、腎経に入る

鹹味は腎経に入りやすいので、適度な鹹味は腎のはたらきを助けてくれます。
腎気をしっかり補うためにも、鹹味の食材を取り入れてみましょう。

また、なまこ、鹿肉などは助陽類です。助陽類は、身体の陽気を温補するはたらきを持つ食薬をさします。
鹹味と助陽類を上手に使って、腎のはたらきを整えましょう。

「腎陰」と「腎陽」を補う

冬は身体を養うのに最も適した季節です。身体を養うのに必要な精気を補いましょう。

腎気は、「腎陰」と「腎陽」があります。双方をしっかり補うことが大切です。

「腎陰」は腎に集まる精になります。腎陰は、涼性・平性で甘味・酸味・鹹味の食材で補いましょう。分類としては、滋陰類を用います。

「腎陽」は腎陰から生じた陽気になります。腎陽は、温性・熱性で辛味・鹹味の食材で補いましょう。食材の分類では、助陽類を用います。

乾燥しがちなら「腎陰」を中心に、冷え症なら「腎陽」を中心に補うことを意識しましょう。

黒いおススメ食材

また、冬の色は「水」に相当する黒です。長い夜の空の色のイメージでしょうか。

最後に、「黒」にこだわっていくつかの食材をピックアップしてみました。

おススメ食材

  • なまこ(温性、鹹味、助陽類)
  • 黒ごま(平性、甘味、滋陰類)
  • こしょう(熱性、辛味、温裏類)

季節に合わせた旬の食材を活用して、健やかにお過ごしください。
次の「小寒」では、冬におススメの薬膳茶についてお伝えします。

参考文献

  • 実用中医薬膳学:辰巳洋著(東洋学術出版社)
  • 基礎中医学:神戸中医学研究会編著(燎原)
  • 早わかり薬膳素材:辰巳洋著(源草社)
  • 食薬方剤学:本草薬膳学院
  • 四群点数法で簡単カロリー計算!:https://4fgmethod.jp/weight/
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