今日は太陽が真東から昇って真西に沈みます。昼夜がほぼ等しくなる日です。
「季節の薬膳」コーナーでは、季節に合わせた薬膳を実践するために役立つ情報をお伝えしていきます。「春分」では、春に摂りたい食材の五気六味についてご紹介します。
春に摂りたい五気は、温性
春とは言え、まだ寒い日もあります。陽気の生長を促すためにも、冷えは好ましくありません。
温性の食材を摂って、身体を冷やさないように心がけましょう。
温性でない食材は、加熱し温める、温性の食材と一緒に使う、などの調理の工夫を加えるとよいでしょう。
春に摂りたい六味は、甘味・辛味
甘味・辛味の食材を用いることで、陽気の生長を助け、肝の疏泄を促します。
肝の疏泄とは、気を全身に巡らせるはたらきを意味します。
春の味は、酸味
五行学説では、五味もそれぞれの要素に割り当てています。
「木」に属するのは酸味です。
酸味は、食薬の酸っぱい味を意味します。収斂、固渋のはたらきを持っています。
収斂作用があるので、体の水分が外に漏れ出るような状態を整えてくれます。つまり、下痢や多汗、頻尿などの症状を改善します。
酸味をもつ食薬には、レモンやみかん、梅などのフルーツや酢、トマトなどがあります。
酸味は、肝経に入る
酸味は肝経に入りやすいので、適度な酸味は肝のはたらきを助けてくれます。
肝気の巡りをよくするためにも、さっぱりした酸味の食材を取り入れてみましょう。
また、みかんなどの柑橘類は理気類です。理気類は、気の巡りをよくするはたらきを持つ食薬をさします。
酸味と理気類を上手に使って、肝のはたらきを整えましょう。
酸味は、摂りすぎに注意
ただし、お伝えしたように、酸味には収斂・固渋というはたらきがあります。陽気の生長を促したいときに収斂しては良くありません。
陽気の生長を特に促す必要がある、冷え症や虚弱体質の方は酸味の摂り過ぎには注意しましょう。
青いおススメ食材
また、春の色は「木」に相当する青です。春に芽吹く新緑のイメージでしょうか。
最後に、「青」にこだわっていくつかの食材をピックアップしてみました。
おススメ食材
- いんげん豆、キャベツ(平性、甘味、補気類)
- 鯖(平性、甘味、補気類)
- にら(温性、辛味、温裏類)
- 三つ葉、紫蘇(温性、辛味、辛温解表類)
季節に合わせた旬の食材を活用して、健やかにお過ごしください。
次の「清明」では、春におススメの薬膳茶についてお伝えします。
参考文献
- 実用中医薬膳学:辰巳洋著(東洋学術出版社)
- 基礎中医学:神戸中医学研究会編著(燎原)
- 早わかり薬膳素材:辰巳洋著(源草社)
- 食薬方剤学:本草薬膳学院
- 四群点数法で簡単カロリー計算!:https://4fgmethod.jp/weight/