秋の気配が感じられる季節となりました。
「季節の薬膳」コーナーでは、季節に合わせた薬膳を実践するために役立つ情報をお伝えしていきます。秋が始まる「立秋」は、秋に活用したい食材のご紹介です。
秋のおすすめ食材
- 初秋
- 涼性、甘味・苦味の食材を使う
- 清熱類の食薬を使う
- 肺を養う作用がある食材を使う
- 晩秋
- 温性、辛味・酸味の食材を使う
- 滋陰類の食薬を使う
- 肺を養う作用がある食材を使う
まず、女子栄養大学が推奨する「四群点数法」をもとに、おすすめ食材をご紹介しましょう。
第1群の食材
第1群の食材は、卵も牛乳もチーズも滋陰類です。
秋は乾燥する季節なので、滋陰類のはたらきでしっかり潤わせましょう。
第2群の食材
牡蠣、ホタテ、ムール貝はいずれも滋陰類の食材です。
豚肉や猪肉も滋陰類です。ぼたん肉など家で調理したことはありませんが。
大豆は平性で体を潤す効果もあるので、秋にも使える食材です。
第3群の食材
温性の滋陰類には、小松菜やアスパラガスがあります。
松の実やクコの実、白木耳などの薬膳らしい食材も滋陰類です。
温めながら痰を取り除いてくれるのはからし菜、銀杏にも喘息を和らげるはたらきがあります。
梨や枇杷、柿などの果物は、熱を取り除いて肺を潤す止咳平喘類です。
第4群の食材
はと麦はむくみをとる他、美肌にも効果があります。
乾燥しがちのお肌をいたわってあげましょう。
蜂蜜は補気類ですが、肺を潤しのどの痛みを緩和してくれます。
秋の養生
秋になると、陽気が減り陰気が成長してきます。秋分前は温燥、秋分後には涼燥となります。
- 早寝早起きを心がける
- 気持ちが落ち込み過ぎないよう、穏やかに過ごす
- 運動をする
- 食養生では、肺を養って津液を補い、脾胃の調子を整えます。
次の「処暑」では、秋の主気である「燥」についてお伝えします。
参考文献
- 実用中医薬膳学:辰巳洋著(東洋学術出版社)
- 基礎中医学:神戸中医学研究会編著(燎原)
- 早わかり薬膳素材:辰巳洋著(源草社)
- 食薬方剤学:本草薬膳学院
- 四群点数法で簡単カロリー計算!:https://4fgmethod.jp/weight/